
創業・起業で使える補助金と助成金|国の創業補助金は終了、2026年に申請できる3系統と選び方
最終更新:2026年9月20日 執筆:みつかる補助金編集部(運営:株式会社TAGIRU)
「創業補助金」で検索すると古い情報が大量に出てきますが、国の創業補助金はすでに終了しています。 この記事では、2026年に創業・起業・会社設立で実際に申請できる制度を3系統に整理し、要件・上限額・締切・対象経費を一次情報(公募要領・都の発表)から確認した内容だけでまとめました。 記事の後半には、当サイトのデータベースからいま募集中の創業系制度56件を自動で掲載しています。
この記事の内容
結論:創業者が2026年に使える制度は3系統
| 系統 | 代表制度/上限額/向いている人 |
|---|---|
| 都道府県 | 東京都 創業助成事業/上限400万円・助成率2/3以内/都内で創業予定〜創業5年未満。家賃・人件費まで使いたい人 |
| 国 | 小規模事業者持続化補助金 創業型/上限200万円(インボイス特例で+50万円)・補助率2/3/開業1年以内で、広告・ウェブサイト・機械装置など販路開拓にお金を使いたい人 |
| 市区町村 | 各自治体の創業支援補助金/数十万円〜数百万円・制度差が大きい/地元で創業する人。競争が緩やかで、店舗改装や備品など使途が広いことが多い |
どの系統でも共通する前提が2つあります。1つは「交付決定より前に支払った費用は対象外」、もう1つは「後払い」です。 創業直後は資金繰りが最も苦しい時期なので、補助金は融資や自己資金の補完として位置づけ、申請から入金までの半年〜1年を立て替えられる計画にしてください。
国の「創業補助金」は終了している
かつて中小企業庁が実施していた「創業補助金」は、名称を「地域創造的起業補助金」に変えたのち終了し、2026年9月時点で国の制度として募集されていません。 検索で見つかる「創業補助金 最大200万円」といった記事の多くは、この終了した制度か、後述の持続化補助金 創業型を指しています。
現在、国が創業者向けに用意している「返済不要」の制度は、小規模事業者持続化補助金の創業型が中心です。 それ以外は日本政策金融公庫の「新規開業・スタートアップ支援資金」のような融資(返済あり)と、自治体の独自制度になります。 「創業補助金」という名称で探し続けるより、創業・起業カテゴリの募集中一覧で「いま申請できる制度」から探すほうが早く確実です。
東京都 創業助成事業(上限400万円・第2回は9月29日受付開始)
東京都と東京都中小企業振興公社が実施する、都内創業者向けで最も規模の大きい制度です。令和8年度の内容は次のとおりです(出典:東京都 令和8年2月16日発表)。
| 助成限度額 | 400万円(下限100万円) |
|---|---|
| 助成率 | 助成対象経費の3分の2以内 |
| 対象者 | 都内で創業予定の個人、または創業5年未満の中小企業者等(個人事業主・法人代表者としての経営期間が通算5年未満) |
| 申請要件 | 次のいずれかに該当すること。TOKYO創業ステーションの事業計画書策定支援の修了者/インキュベーション施設運営計画認定事業の認定施設の入居者/東京都・都内区市町村の創業向け制度融資の利用者/都内区市町村の認定特定創業支援等事業で支援を受けた人 |
| 対象経費 | 賃借料、広告費、器具備品購入費、産業財産権出願・導入費、専門家指導費、従業員人件費、市場調査・分析費 |
| 助成対象期間 | 交付決定日から6か月以上、最長2年 |
| 令和8年度の募集 | 第1回:4月7日〜4月16日(終了)/第2回:9月29日(火)〜10月8日(木)、交付決定は令和9年3月1日予定 |
この制度の特徴は、対象経費に賃借料と従業員人件費が含まれることです。多くの補助金が「設備や広告に使うお金」しか認めないのに対し、創業初期の固定費に充てられる点で他に代わりがありません。 一方で、申請要件の4つは「事前に何かを済ませていること」を求めるものばかりです。第2回に間に合わせるなら、認定特定創業支援等事業(区市町村の創業セミナー等)の証明書か、創業向け制度融資の利用が現実的な入口になります。
小規模事業者持続化補助金 創業型(上限200万円・第4回は11月5日受付開始)
国(中小企業庁・日本商工会議所等)の制度で、創業間もない小規模事業者の販路開拓を支援します。第4回公募要領(2026年5月27日公開)の要点は次のとおりです。
| 補助上限 | 200万円。インボイス特例の対象事業者は50万円上乗せ |
|---|---|
| 補助率 | 3分の2 |
| 対象者 | 産業競争力強化法に基づく認定市区町村(または連携する認定創業支援等事業者)による「特定創業支援等事業」の支援を受けた日と、開業日がいずれも過去1年以内の小規模事業者 |
| 小規模事業者の定義 | 商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)は常時使用する従業員5人以下、宿泊業・娯楽業と製造業その他は20人以下 |
| 対象経費 | 機械装置等費、広報費、ウェブサイト関連費、展示会等出展費、旅費、新商品開発費、借料、委託・外注費 |
| 第4回の日程 | 申請受付開始:2026年11月5日(木)/申請受付締切:2026年12月15日(火)17:00/事業支援計画書(様式4)の発行受付締切:12月4日(金) |
見落としやすいのが「様式4」です。申請には商工会議所・商工会が発行する事業支援計画書が必要で、その発行依頼の締切が申請締切より11日早く設定されています。 公募要領には「受付締切以降の発行依頼はいかなる理由があってもできない」と明記されているので、11月中に商工会議所へ相談に行くスケジュールで動いてください。
対象経費には「ウェブサイト関連費」「機械装置等費」「委託・外注費」が含まれます。予約システムや受発注の仕組みなど、創業時に業務の土台を作る費用を組み込める制度です。 ただし一般型と同様、ウェブサイト関連費は単独申請不可・補助金交付額の1/4が上限といった制約が設けられるのが通例です。詳細は公募要領のP.9以降を必ず確認してください。
市区町村の創業支援と「特定創業支援等事業」の証明書
多くの市区町村が、独自の創業補助金(店舗改装費、設備費、広告費、家賃補助など)を持っています。上限は数十万円〜数百万円と幅がありますが、申請者がその自治体で創業する人に限られるため、国の制度より競争が緩やかです。 当サイトでは創業・起業カテゴリと都道府県・市区町村ページで募集中のものを毎日更新しています(現在、市区町村・都道府県の創業系制度は44件)。
市区町村レベルで必ず押さえておきたいのが「特定創業支援等事業」です。自治体や商工会議所が実施する創業セミナー・個別相談(経営・財務・人材育成・販路開拓の4分野を1か月以上かけて受講)を修了すると、自治体から証明書が発行されます。この証明書で受けられる優遇は次の4つです。
| 登録免許税の軽減 | 株式会社設立時:15万円が7.5万円に/合同会社:6万円が3万円に |
|---|---|
| 創業関連保証の前倒し | 信用保証協会の創業関連保証を、通常の事業開始2か月前ではなく6か月前から申し込める |
| 公庫融資の優遇 | 日本政策金融公庫「新規開業・スタートアップ支援資金」で特別利率などの優遇 |
| 補助金の申請要件 | 小規模事業者持続化補助金 創業型の申請要件を満たす。東京都創業助成事業の申請要件にも該当 |
つまり、証明書を取ると「登録免許税が半分になり、上で説明した国と東京都の2制度に申請できる資格が同時に手に入る」ことになります。 会社設立を急いでいても、設立前にこのセミナーを受けておく順番のほうが結果的に得です。実施している自治体は、お住まいの市区町村名と「特定創業支援等事業」で検索すると公式ページが出ます。
「創業支援等事業者補助金」は起業家向けではない
検索で目にする「創業支援等事業者補助金」は、名前に「創業」と付いていますが、起業家が申請する制度ではありません。 これは、産業競争力強化法の認定を受けた市区町村や民間の支援機関(創業を「支援する側」)に対して、国が支援事業の費用を補助するものです。 起業家本人がこの名称で申請先を探しても対象になりませんので、自分が使える制度としては、上の3系統から選んでください。
使いたい費目から制度を選ぶ早見表
| 店舗・事務所の家賃 | 東京都 創業助成事業(賃借料)/一部の市区町村の家賃補助。持続化 創業型は対象外 |
|---|---|
| 従業員の人件費 | 東京都 創業助成事業(従業員人件費)。国の制度では創業型に限らず自社人件費は原則対象外 |
| 広告・ホームページ・EC | 持続化 創業型(広報費・ウェブサイト関連費)/東京都 創業助成事業(広告費) |
| 設備・機械・システム | 持続化 創業型(機械装置等費・委託外注費)/東京都 創業助成事業(器具備品購入費)/市区町村の設備補助 |
| 店舗改装・内装 | 市区町村の創業支援補助金に多い。国・都の2制度では原則対象外の費目 |
| 会社設立の登録免許税 | 特定創業支援等事業の証明書で半額(補助金ではなく税の軽減) |
同じ経費を複数の補助金で二重に受けることはできません。家賃と人件費は都の制度、広告と設備は国の制度、という形で費目ごとに分けて申請するのが一般的な組み合わせです。
いま募集中の創業・起業向け制度(2026年9月・締切が近い順)
当サイトのデータベース(jGrants公開データと全国の自治体制度)から、創業・起業に関する募集中の制度を自動で抽出しています。締切を過ぎた制度は表示されません。
創業・起業の募集中56件をすべて見る →よくある質問
「創業補助金」はまだありますか?
国が実施していた「創業補助金」(その後の「地域創造的起業補助金」)は現在は募集されていません。2026年9月時点で創業者が使える国の制度は「小規模事業者持続化補助金 創業型」が中心で、これに東京都の創業助成事業や各市区町村の創業支援が加わります。
会社設立前でも申請できますか?
制度によります。東京都創業助成事業は「都内で創業予定の個人」も対象です。小規模事業者持続化補助金 創業型は、特定創業支援等事業の支援を受けた日と開業日がいずれも過去1年以内であることが要件なので、開業(開業届・法人登記)が先に必要です。
創業助成金と創業補助金は違うものですか?
名称の違いで、仕組みは同じ「返済不要の給付」です。東京都の制度は「創業助成事業(創業助成金)」、国の制度は「補助金」と呼ばれています。ただし助成金という名称でも審査があり、要件を満たせば必ず受給できるものではありません。
創業支援等事業者補助金は起業家が申請できますか?
できません。創業支援等事業者補助金は、創業者を支援する側(認定を受けた市区町村や民間の支援機関)に国が出す補助金です。起業家が申請するものではないため、名称で検索して見つけても対象にはなりません。
特定創業支援等事業の証明書は何に使えますか?
会社設立時の登録免許税の軽減(株式会社は15万円が7.5万円に、合同会社は6万円が3万円に)、創業関連保証の申請時期の前倒し(事業開始の6か月前から)、日本政策金融公庫の新規開業・スタートアップ支援資金での優遇、小規模事業者持続化補助金 創業型の申請要件の充足、の4つが代表的です。
創業の補助金で家賃や人件費は出ますか?
東京都創業助成事業は賃借料と従業員人件費が対象経費に含まれます。一方、小規模事業者持続化補助金 創業型は販路開拓の経費が対象で、家賃や自社の人件費は対象外です。制度ごとに大きく異なるため、使いたい費目から制度を選ぶのが近道です。
採択されたらすぐお金がもらえますか?
いいえ。補助金・助成金は原則として後払いです。交付決定後に自社で支払い、事業完了後の実績報告と検査を経て入金されます。創業初期の資金繰りは融資や自己資金で回す前提で計画してください。
創業時に業務の仕組みごと作りたい方へ
持続化補助金 創業型の「機械装置等費」「委託・外注費」や、東京都創業助成事業の「器具備品購入費」は、予約・決済・顧客管理といった業務システムの導入に充てられる可能性があります。 当サイトを運営する株式会社TAGIRUはシステム開発会社です。対象経費に当たるかの一次確認は無料でお調べします。申請手続きの全体像は補助金の申請の仕方にまとめています。
出典・参考(一次情報)
本記事は2026年9月20日時点の公表情報をもとにしています。要件・金額・日程は公募回ごとに変わるため、申請前に必ず各制度の最新の公募要領をご確認ください。