
AI導入・システム開発に使える補助金|4制度の比較表と「対象外になる費目」
最終更新:2026年9月20日 執筆:みつかる補助金編集部(運営:株式会社TAGIRU)
「AI導入 補助金」で最初に出てくるのはIT導入補助金(現在のデジタル化・AI導入補助金)ですが、この制度は登録された既製ツールの導入が対象で、自社業務に合わせた開発には使えません。 この記事では、オーダーメイドの開発まで対象になる制度を含めた4制度を、上限額・補助率・対象経費・対象外の費目で比較します。数字はすべて各制度の公式サイト・公募要領(2026年9月時点)から引用しています。 後半には当サイトのデータベースから、AI導入・システム開発に使える可能性がある募集中の制度301件(国・都道府県・市区町村)を自動掲載しています。
この記事の内容
結論:4制度の比較表
| 制度 | 上限額/補助率/オーダーメイド開発/向いている投資 |
|---|---|
| デジタル化・AI導入補助金 | 5万円〜450万円(通常枠)/1/2(小規模事業者の賃上げ要件充足で2/3)/不可(登録ツールのみ)/会計・受発注・勤怠などの既製SaaS導入 |
| 中小企業省力化投資補助金 一般型 | 750万円〜1億円(従業員数による)/1/2(小規模事業者は2/3)/可(機械装置・システム構築費・外注費)/人手作業を減らす自社専用システム・AI |
| ものづくり補助金 | 750万円〜2,500万円(製品・サービス高付加価値化枠、従業員数による)/1/2(小規模事業者は2/3)/可(システム構築費・外注費)/新製品・新サービスの開発を伴う投資 |
| 小規模事業者持続化補助金 | 50万円〜(特例で最大250万円、創業型は200万円+50万円)/2/3/可(機械装置等費・委託外注費)/小規模事業者の販路開拓に直結する小規模なシステム |
上限額だけを見ると省力化投資補助金とものづくり補助金が大きく見えますが、その分、事業計画の審査と採択後の報告義務が重くなります。 「導入して終わり」の既製ツールなら手続きが軽いデジタル化・AI導入補助金、自社の業務に合わせて作るなら省力化投資補助金の一般型、というのが基本の使い分けです。
最初の分かれ道:「既製ツール」か「オーダーメイド」か
受発注・在庫・日報・問い合わせ対応など
登録ツールに合うものがあるか確認
IT導入支援事業者経由で申請
開発会社の見積で申請
決定前の発注は対象外
後払い
デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)
2026年に「IT導入補助金」から名称変更された制度です。事務局に登録された「IT導入支援事業者」が登録した「ITツール」を導入する場合に補助されます。通常枠の内容は次のとおりです(出典:公式サイト 通常枠ページ)。
| 補助額 | 1プロセス以上:5万円以上150万円未満/4プロセス以上:150万円以上450万円以下 |
|---|---|
| 補助率 | 1/2以内。小規模事業者で賃上げ要件(地域別最低賃金未満の従業員が全体の30%以上の期間が3か月以上)を満たす場合は2/3以内 |
| 対象経費 | ソフトウェア購入費、クラウド利用料(最大2年分)、オプション(機能拡張・データ連携・セキュリティ)、役務(導入コンサル・設定・研修・保守サポート) |
| 対象外 | ハードウェア(通常枠) |
| そのほかの枠 | インボイス枠(会計・受発注・決済ソフト。小規模事業者は補助率4/5)、セキュリティ対策推進枠、複数社連携IT導入枠など |
「AI」と名前に付いた2026年からは、登録ツールにAI機能を持つ製品が増えています。ただし対象は登録済みツールであることに変わりはなく、 自社データを学習させる、既存の基幹システムと連携させる、といった開発を伴う場合はこの制度の枠に収まりません。
中小企業省力化投資補助金 一般型(上限750万〜1億円)
人手不足への対応として、省力化につながる設備・システムへの投資を支援する制度です。カタログから選ぶ「カタログ注文型」と、オーダーメイドの設備・システムを対象とする「一般型」があり、開発を伴う場合は一般型を使います(出典:公式サイト 一般型)。
| 補助上限(通常) | 従業員5人以下:750万円/6〜20人:1,500万円/21〜50人:3,000万円/51〜100人:5,000万円/101人以上:8,000万円 |
|---|---|
| 補助上限(大幅賃上げ特例) | 5人以下:1,000万円/6〜20人:2,000万円/21〜50人:4,000万円/51〜100人:6,500万円/101人以上:1億円 |
| 補助率 | 中小企業1/2(最低賃金引上げ特例で2/3)/小規模企業者・小規模事業者・再生事業者2/3 |
| 対象経費 | 機械装置・システム構築費(必須)、外注費、クラウド利用料、専門家経費など |
| 直近の公募 | 第8回の申請ポータル受付開始は2026年9月中旬予定(公式サイト) |
対象経費の必須項目が「機械装置・システム構築費」であることが、この制度の要点です。設備と連動する生産管理システム、稼働データの監視・分析、業務プロセスの自動化システムなど、 ソフトウェアを中心にした省力化投資が一般型の範囲に入ります。事業計画では、導入前後の作業時間や処理件数を数値で示すことが求められます。
ものづくり補助金(上限750万〜2,500万円)
正式名称は「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」です。名称から製造業向けと思われがちですが、サービス業を含む中小企業の「革新的な新製品・新サービスの開発」を支援する制度で、システム構築費が対象経費に含まれます。
| 製品・サービス高付加価値化枠 | 補助上限750万〜2,500万円(従業員数に応じて)。補助率は中小企業1/2、小規模事業者2/3。2026年からの最低賃金引上げ特例で2/3に引き上げ可 |
|---|---|
| グローバル枠 | 補助上限3,000万円。海外市場開拓を伴う事業 |
| 対象経費 | 設備投資費、システム構築費、試作開発費、外注費など |
| 直近の実績 | 第22次公募(2026年1月採択発表)の製品・サービス高付加価値化枠の採択率は38.2% |
採択率が4割弱と競争があるため、「業務効率化のためのシステム」だけでは通りにくく、「そのシステムによって新しい製品・サービスが生まれる」構成が求められます。 AIを組み込んだ新サービスの開発、既存製品にデータ分析機能を付加する、といった事業化の筋道がある案件に向いています。
小規模事業者持続化補助金(小規模向け・上限50万〜250万円)
従業員5人以下(製造業などは20人以下)の小規模事業者向けで、販路開拓に直結する経費が対象です。対象経費に「機械装置等費」「ウェブサイト関連費」「委託・外注費」があるため、 予約システムやECサイトのような小規模な仕組みの導入に使われています。上限は一般型50万円(各種特例の適用で最大250万円)、創業1年以内の事業者向けの創業型は200万円(インボイス特例で+50万円)、補助率は2/3です。 創業型の詳細は創業・起業で使える補助金と助成金にまとめています。
対象外になりやすい費目
| 自社の人件費 | 社員が開発・設定した工数は原則対象外。外部委託費として計上する必要がある |
|---|---|
| 汎用パソコン・スマートフォン | 単体では対象外。システムと一体で機能する専用端末に限られるのが通例 |
| 保守・運用代行費 | 導入後の月額保守や運用代行は対象外か、期間の上限がある(クラウド利用料は最大2年分など) |
| 交付決定前の契約・発注 | 着手が早すぎると全額対象外。要件定義と見積までを先に進め、契約は交付決定後に |
| 汎用的な業務ソフトの単純購入 | ものづくり・省力化では「生産性向上の根拠」がないと認められにくい |
| 同一経費の二重申請 | 複数の補助金で同じ経費を申請することはできない |
開発を伴う案件で実務上いちばん効くのは、見積書を対象経費の区分(機械装置・システム構築費/外注費/クラウド利用料)に合わせて分けて作ることです。ここが混ざっていると、申請時に組み替えられず一部が対象外になります。
いま募集中のAI導入・システム開発に使える制度(2026年9月・上限額が大きい順)
制度名と利用目的(IT導入・設備整備)から、AI導入・システム開発に使える可能性がある募集中の制度を当サイトのデータベースから自動抽出しています。国の制度だけでなく都道府県・市区町村の独自制度も含みます。
AI導入に使える募集中の制度をすべて見る →よくある質問
自社専用のAIツールやシステムを外注で開発する費用は補助されますか?
制度によります。中小企業省力化投資補助金の一般型とものづくり補助金は「機械装置・システム構築費」「外注費」として外部への開発委託費が対象経費に含まれます。一方、デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)は事務局に登録された既製ツールの導入が対象で、オーダーメイド開発はほぼ対象になりません。
ChatGPTなどの有料AIサービスの利用料は対象になりますか?
デジタル化・AI導入補助金では、登録されたITツールのクラウド利用料が最大2年分まで対象になります。ただし、汎用の生成AIサービスがそのまま登録ツールになっているとは限らず、IT導入支援事業者が登録した製品・サービスを通じて導入する必要があります。
パソコンやタブレットは買えますか?
デジタル化・AI導入補助金の通常枠ではハードウェアは対象外です。ものづくり補助金や省力化投資補助金でも、汎用性の高いパソコン・スマートフォン単体は原則対象外で、システムと一体で機能する専用端末に限られる運用が一般的です。
自社の社員が開発した場合の人件費は?
多くの制度で自社の人件費は対象外です(研究開発系の一部制度を除く)。補助対象にしたい場合は、外部の開発会社への委託費として計上する形になります。
開発会社に申請を代行してもらえますか?
多くの制度で申請は事業者自身が行うことが原則で、発注先となる事業者による代理申請を認めない制度もあります。当サイト運営のTAGIRUは、対象経費区分に合わせた見積の内訳と要件定義を担当し、申請は事業者ご自身で行っていただきます。
採択されたらいつ開発を始められますか?
採択後の交付決定を受けてからです。交付決定前に契約・発注した費用は対象外になるのが原則なので、要件定義や見積の取得までは先に進めつつ、契約は交付決定後に行います。
制度に合わせた見積の内訳から一緒に作ります
当サイトを運営する株式会社TAGIRUは、東京都新宿区のAI開発・システム開発会社です。補助金を使う開発案件では、要件定義を対象経費の区分に合わせて設計し、見積書の内訳を申請様式に沿って作成します。 申請そのものは事業者ご自身で行っていただきますが、どの制度に載せるかの一次判断と、通りやすい経費構成の相談は無料です。制度の選び方の解説は補助金でシステム開発・AI導入をする方法(TAGIRU)でも詳しく書いています。
出典・参考(一次情報)
本記事は2026年9月20日時点の公表情報をもとにしています。上限額・補助率・対象経費は公募回ごとに変わるため、申請前に必ず各制度の最新の公募要領をご確認ください。